今回のランキング1位は、2年連続で「JX日鉱日石エネルギー」となりました。
昨年は、経営統合という流れの中で両社のコンテンツを統合するに留まらず、ユーザビリティにおいても5評価軸で高スコアを取り、見事に1位に輝きました。今年度はそれに加え、新たなトレンド軸として採用した「マルチデバイス対応」「ソーシャルメディア対応」の項目においても高いスコアを獲得。利用者への利便性維持のためのガバナンスへの取り組みはもちろんのこと、新たなニーズの取り込みやトレンドへの対応についても1位にふさわしい企業と言えそうです。
その他2位の「エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)」、3位の「中部電力」、4位の「大塚商会」、5位「野村證券」、6位「東京地下鉄(東京メトロ)」、7位「みずほ銀行」、8位「三菱商事」においては、いずれの企業もスコア90点以上となっており、1位の「JX日鉱日石エネルギー」と比較しても遜色ないスコアです。
こうしたユーザビリティへの対応状況は、対象企業150社においてもトップレベルであり、各社が属する業界最高水準と言えそうです。
業種別に見ると、1位「金融・保険・証券」、2位「医薬品」、3位「IT・情報通信」、4位「商社・流通・小売」と続きます。前回と比べると、「医薬品」や「IT・情報通信」の順位は上がっており、ユーザビリティに配慮したリニューアルが実施された結果と言えそうです。
一方で業種に関わらず、B to B、B to Cいずれの企業でもユーザビリティへの意識が高まっていることが伺えました。逆にB to C企業が多く存在している「自動車・自動二輪」の業界を筆頭に、スコアが低い業界については、業界全体で利用者に向けた情報発信意識の改善が必要であると言えます。
総合スコアは、5軸に傾斜配分をかけて割り出したものであり、5軸の単純平均ではありません。(満点=100点)
| 金融・保険・証券 | 86.43 | 78.15 | 87.99 | 86.27 | 88.51 | 87.51 | |
| 医薬品 | 86.27 | 87.25 | 91.56 | 87.26 | 84.74 | 78.28 | |
| IT・情報通信 | 84.74 | 88.37 | 84.32 | 84.29 | 87.37 | 80.42 | |
| 4 | 商社・流通・小売 | 82.66 | 80.86 | 85.04 | 85.63 | 83.3 | 72.89 |
| 5 | 機械・部品メーカー | 82.61 | 78.51 | 92.48 | 83.56 | 83.94 | 68.22 |
| 6 | 鉄道・運輸 | 81.81 | 83.71 | 84.63 | 79.45 | 86.59 | 75.91 |
| 7 | 総合電機 | 80.88 | 86.76 | 83.31 | 76.11 | 83.84 | 80.92 |
| 8 | 食品・飲料・生活用品 | 80.84 | 81.87 | 86.09 | 76.05 | 84.99 | 78.77 |
| 9 | 電力・ガス・エネルギー | 79.75 | 84.35 | 79.43 | 78.61 | 80.89 | 78.26 |
| 10 | クレジット・信販 | 78.82 | 77.19 | 78.43 | 76.59 | 80.81 | 82.97 |
| 11 | 化学・繊維 | 78.34 | 80.62 | 85.47 | 81.02 | 76.01 | 64.2 |
| 12 | 精密機器・電子部品 | 78.17 | 87.97 | 77.51 | 73.5 | 81.15 | 79.42 |
| 13 | 鉄鋼・金属・材料 | 74.43 | 79.85 | 81.47 | 74.19 | 77.67 | 57.72 |
| 14 | 建設・不動産 | 73.78 | 78.66 | 75.98 | 70.81 | 81.65 | 64.05 |
| 15 | 自動車・自動二輪 | 73.27 | 73.81 | 77.49 | 66.23 | 76.55 | 79.31 |
全体としては、昨年に比べてスコア平均値が上昇傾向にあります。
企業としてのユーザビリティ向上への意識が高まってきている結果と言えそうですが、一方で問題も散見されました。今回の調査において、自社サイトのフルリニューアルを実施した企業は少なくありません。このフルリニューアルにおいて、大幅にスコアを伸ばした企業としては、「東京地下鉄(東京メトロ)」「DIC」「エーザイ」「ヤマト運輸」「オリックス」などが挙げられます。こうした企業は、リニューアルにおいて利用者の利便性向上を意識されていた可能性が高く、結果としてスコアも昨年度に比べて大幅に改善されました。
一方で、フルリニューアルしたのにも関わらず大幅にスコアを落としてしまった企業も少なくありません。企業サイトにおいては、ユーザビリティ向上だけが目標になることはありませんが、利用者の利便性という点においてユーザビリティへの配慮は欠かせません。いずれの目標も軽視できない事項とは言え、実際に情報を閲覧する利用者のための配慮を第一に考えたリニューアルが望まれます。
今回実施したWebユーザビリティランキングにおいて、さまざまなデータから、企業Webサイトの潮流が見えました。
<スコアの平均点が昨年に比べて2ポイント近く増加>
スコア平均は昨年の78.44点から、80.19点と増加しました。80点以上のスコアを出した企業は、昨年の72社から83社へと増加しています。年々高まるユーザビリティ向上の意識が企業サイトに浸透してきている結果と言えます。
<対象150社のうち、実に約50%がフルリニューアルまたは一部リニューアルを実施>
昨年度(2010年版)で実施したランキング発表時でも同じく50%超の企業がリニューアルまたは一部リニューアルを実施していました。各メディアの役割が変遷する中で、インターネットに公開された自社サイトの重要性が見直され、結果として多くの企業がリニューアルという形で顧客の期待に応えようとしている結果になりました。
<震災の影響による情報発信・伝達に対する意識向上>
今回の診断では、アクセス性の向上や重いリッチコンテンツ(Flashなど)の多用が避けられているケースが目立ちました。利用者に対してスムーズにそして確実に情報発信・伝達を行うことの重要性が再認識されているのではないかと思われます。
<マルチデバイス(スマートフォンやタブレット端末など)への対応状況>
スマートフォン(iPhone、Android携帯)、タブレット端末(iPadなど)すべてに最適なWebサイトを用いて発信している企業は18%でした。中でも金融業界の対応が進んでおり、10社中6社と半数を上回りました。
<ソーシャルメディア(Facebook、Twitterなど)への対応状況>
ソーシャルメディアを有効活用するだけでなく、自社の企業サイトから適切に誘導できている企業は15%程度に留まりました。また、こうした取り組みをしていない企業は70%と、まだまだ企業におけるソーシャルメディア対応は様子見という部分が伺えます。
そもそもユーザビリティとは何でしょうか?さまざまな分野でその言葉を耳にすることはありますが、Webサイトにおけるユーザビリティということですと…
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