Webサイト運用あるある:「更新の依頼方法が分からない」編

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こんにちは! Web運用ディレクターのY氏です。

日頃のWebサイト運用更新でよく発生する状況を「Webサイト運用あるある」として取り上げ、より安定した運用を継続するためのポイントをご紹介します。今回のテーマは「更新の依頼方法」です。下記のような経験をされたことはありませんか?

  • Webサイトの更新依頼をしたいが、何をどう伝えれば良いか分からない
  • Webサイトの更新依頼を受けたが、どのページのどこをどう更新すれば良いか分からない

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Webサイト運用更新には“つきもの”と言えるほどよく発生する状況ですが、更新を依頼する側(以下、依頼者)もされる側(以下、作業者)も、できるだけ円滑に更新を進めたいという気持ちは同じです。しかし、依頼内容が複雑になればなるほど、誤認や手戻りのリスクが増えてしまい、スムーズに進行することが難しくなります。今回は、Webサイトの更新を依頼する際のポイントをご紹介します。

作業者が“完成イメージを正しく理解できる”形で依頼する

依頼の形式や書式に決まりはありませんが、「どのページがどう更新されればよいか」を作業者が正しく理解できるように、依頼者が“必要な情報を揃えて依頼”することがとても重要です。更新ページ数が多い場合やページの内容を大幅に変える場合など、複雑な依頼を行うときは、メールなどで概要を連絡しつつ補足資料としてWord、Excel、PowerPoint などで作成した“指示書”や“テキスト原稿”などを添付すると良いでしょう。

依頼内容には、最低限下記の要素を含めるようにします。

  • 更新対象ページのURL(複数ある場合は一覧表を添付)
  • 更新箇所(現状のページ内容をベースに変更箇所と変更内容を明記、複数ページの場合はページごとに記載)
  • 掲載するテキスト情報(必ずコピーペーストできる形で準備)
  • リンク先のURLと遷移方法(同窓・別窓)の指定(リンクが複数ある場合は一覧表を添付)
  • 画像やPDFなど、掲載用の素材(画像はサイズを変更しても粗くならないよう、できるだけ大きいサイズで準備)

このように依頼者が具体的な情報を揃えておくことで、作業者の誤認や依頼者への確認・手戻りが発生するリスクを減らすことができ、更新作業をスムーズに進行できます。

ここで、分かりにくい更新依頼のパターンと、そこから得られる教訓をいくつかご紹介します。

“曖昧”な表現や、“ざっくり”とした指示はNG

例えば、作業対象ページを「○○のページ」というように具体的なURLを示さずに指定すると、作業者が似ているページを誤って修正してしまうことがあります。ページを指定するときは「○○のページ」ではなく、“具体的なURL”を伝えましょう。

また、頻繁に行う更新をいつもの作業者に依頼する場合、「いつもの感じで」や「以下同文で」というように指示を省略してしまうことがあります。しかし、途中で作業者が変わった場合や、後から他の依頼者が同様の依頼をしようとしたときに、明確な指示内容が残っていないとスムーズに更新業務を引き継げません。依頼をした本人も時間が経ってから同じ作業を依頼しようとして「この時どういう風に依頼したかな」と後で確認するケースもあります。さまざまなケースを想定して、指示はできるだけ“明確に資料化”しておくことをおすすめします。発生頻度の高い作業は、“依頼時に使う資料そのものを定型化”しておき、資料作成の手間を省けるようにしておきましょう。

ガイドラインやHTMLコーディングルールなどに則していない指示もNG

依頼時の情報や素材に不足がない場合でも、依頼内容そのものに不備があるケースがあります。よくあるのが、依頼内容がガイドラインなどの“ルールに準拠していないケース”です。例えば、ガイドラインでは赤色文字を禁止しているのに赤色文字を使うように指示している場合や、小見出しは太字で下線をつけないルールなのに「小見出しに下線をつけてほしい」という指示をしてしまうことがあります。「ルール通りだと目立たない」というときにありがちですが、ガイドラインやルールはサイト全体の体裁を保ち、サイトの機能やブランドイメージを保持しつつ、必要な情報がサイトの閲覧者の目に止まるように設計されているので、それらを無視して個別の体裁を指示しないようにしましょう。

また、ガイドラインに既定されているパーツを使って指示をしている場合でも、例えば大見出しと小見出しを逆の体裁で入れるように指示するなど、“HTMLの構造を踏まえずに依頼してしまうケース”もあります。大見出しや小見出しはHTMLの構造に沿って適切に表示されるようCSSで制御しているケースがほとんどなので、HTMLの構造と異なる指示を受けると作業者は困惑します。依頼者はガイドラインやHTMLなどの“前提条件を最低限把握”した上で、“作業者が無理なく対応できるように依頼する”ことを心がけましょう。

テキスト情報は必ず“コピー&ペーストできる形”で準備し、表記ルールも考慮

例えば、依頼者が「修正後のテキストはこの画像と同じにしてください」というような指示をした場合、作業者は画像を見ながら文字を手入力することになり、作業が複雑化する上に間違えて入力してしまう可能性があります。また、依頼者が作業内容を確認する際も、コピー&ペーストでページ内検索を使って確認した方が、目視確認よりも早く正確にチェックできます。“依頼者・作業者双方にメリットがある”ので、テキスト情報は必ずコピー&ペーストできる形で準備しましょう。

また、依頼者がテキスト情報を準備する際に、表記ルールに沿って原稿を作成することも大切です。作業者が表記ルールに沿ってテキスト情報を修正しながら更新することもできますが、作業者の工程が複雑化する上に、依頼者が確認時にコピー&ペーストによるページ内検索をしてもヒットしなくなってしまい、詳細な目視チェックが必須になってしまいます。全行程をスムーズに進めるためにも、“依頼者側で表記ルールに沿ったテキスト情報を準備”しましょう。

図表やイラストなどのクリエイティブ素材の制作指示は、できるだけ“具体的”に

クリエイティブ素材は表現の幅が広く、個人の感覚に依存するため、曖昧な指示で細かい部分を作業者まかせにしてしまうと、できあがったものが依頼者の意図から大きく外れてしまう可能性が高いです。「いい感じに」や「かっこよく」というような曖昧な指示ではなく、イメージやデザインコンセプト、使う文言や画像、配色、トーン&マナーなどを“できるだけ細かく指定して、修正箇所が少なくなるように依頼”しましょう。ラフイメージや似ている画像を“参考イメージとして添付”するのも効果的です。

この記事の執筆者

Y氏

オペレーション部 ディレクター

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