企業サイトの「人的資本・社員情報」開示トレンド調査
- トレンドリサーチ
調査名
企業サイトの「人的資本・社員情報」開示トレンド調査(非製造10業界上場100社)
背景
「人材が企業価値の源泉」とされ、人的資本情報の開示は企業にとって重要なテーマです。一方で、社員数や男女比、育児休業取得率、女性管理職比率といった「人材」に関する情報を、企業が実際に「自社サイトのどこに」「誰に向けて」発信しているかが議論されるケースは多くありません。
同じ人的資本情報でも、投資家・株主向けのIR情報として掲載するのか、求職者に向けた採用情報として掲載するのかは、企業の「人材」の位置付けが現れるとも言えます。
今回は、非製造10業界(情報通信、卸売、小売、銀行、証券、保険、金融、不動産、サービス、その他製品)上場企業100社を対象に、基本属性・働き方・成長活躍に関する10項目の人的資本情報が「企業情報」「採用情報」のいずれに掲載されているかを調査しました。
サマリー
- 人的資本情報10項目の掲載率は、企業情報側で90.3% 採用情報側は27.9%にとどまり、情報の届け先に差
- 幅広い項目で開示は進む一方で情報の多くは投資家向けの企業情報側に置かれている
- HR情報開示自体は定着しており、整備済みの人的資本データを採用情報側へ展開する余地は大きい
調査結果
基本属性データ[社員数/男女比/平均年齢/職種別構成]
基本属性は企業情報側での掲載が9割超、採用情報側とは最大84ポイントの開き
企業情報側での掲載は社員数100%(100社)、平均年齢98%(98社)、男女比93%(93社)、職種別構成82%(82社)でした。採用情報側は社員数43%(43社)、男女比31%(31社)、平均年齢14%(14社)、職種別構成3%(3社)にとどまりました。
働き方・定着データ[育児休業取得率/有給休暇取得率/離職率・定着率]
データ3項目掲載、企業情報側で平均85.3% 採用情報側では13~32%
企業情報側での掲載は育児休業取得率99%(99社)、離職率・定着率80%(80社)、有給休暇取得率77%(77社)でした。採用情報側は育児休業取得率32%(32社)、有給休暇取得率27%(27社)、離職率・定着率13%(13社)でした。
成長・活躍データ[育成制度/女性管理職比率/新卒・中途採用比率]
企業情報側への掲載が9割超、一方で採用情報側は「育成制度」のみ67%と突出
企業情報側での掲載は育成制度・女性管理職比率が各100%(100社)、新卒・中途採用比率74%(74社)でした。採用情報側は育成制度67%(67社)、新卒・中途採用比率29%(29社)、女性管理職比率20%(20社)でした。
人材情報の掲出形式
全100社が人的資本情報を数値で開示 58%は説明を加えての文脈までを提示
HR情報の見せ方は「バランス型」が58社、「データ的」が42社で、「説明的」「情報がない」に該当する企業はありませんでした。
総括
主要な人的資本情報は、企業・IR情報内に概ね高水準で掲載。一方で、同じ情報を採用側に展開する企業は3割、既存の人的資本データの活用余地が見られる。
本調査では10項目の人的資本情報について掲載場所を「企業情報」「採用情報」の観点から確認しました。「どちらにもある」を両チャネルの掲載として集計すると、企業情報側はいずれの項目群でも8〜9割前後に達する一方、採用情報側は平均2〜3割にとどまり、両者には最大80ポイント超の開きが確認されました。
全100社が開示する社員数・育成制度・女性管理職比率でも、その情報は企業情報=投資家・株主向けの領域に大きく偏ります。これは人的資本開示が有価証券報告書や統合報告書などIR文脈の要請を起点に進んできたことと整合的です。「人材こそが企業価値の源泉」と発信される一方、その裏付けデータが就業先を選ぶ求職者の目に触れる採用情報側にはほとんど展開されていない非対称が浮かびます。
見せ方は全100社がデータ的またはバランス型で、数値開示の作法は定着しています。裏を返せば、整備済みのデータを採用情報側へ展開する余地は大きく、情報の「届け先」の再設計が、採用競争力と信頼構築の観点から次の論点になると考えられます。
調査概要
| 調査名 | 企業サイトの「人的資本・社員情報」開示トレンド調査 |
|---|---|
| 調査目的 | 企業サイトの「人材情報」を企業情報と採用情報のどちらを中心にどこまで開示しているか明らかにする |
| 調査対象 | 非製造10業界(情報通信、卸売、小売、銀行、証券、保険、金融、不動産、サービス、その他製品)計100社の企業サイト |
| 調査実施期間 | 2026年 7月20日 ~ 7月29日 |
| 調査手法 | インターネット調査/ヒューリスティック |
生成AI活用に伴う免責事項
本調査では生成AIを情報整理等に活用し、数値情報および最終判定は当社所定の基準に基づき担当者が最終確認を行っています。ただし、調査対象定義範囲外の情報、AI由来の誤り、最新性・完全性・正確性を完全に保証するものではありません。
設問
- Q1. 社員数は掲載されているか
- Q2. 男女比はあるか
- Q3. 平均年齢はあるか
- Q4. 職種別の社員構成は公開されているか
- Q5. 育児休業取得率は公開されているか
- Q6. 有給休暇取得率は公開されているか
- Q7. 離職率・定着率は公開されているか
- Q8. 育成制度はあるか
- Q9. 女性管理職比率は公開されているか
- Q10. 新卒・中途の採用比率は公開されているか
- Q11. HR情報の掲出はデータ的か説明的か
調査対象企業(順不同)
TOPPANホールディングス/大日本印刷/バンダイナムコホールディングス/任天堂/アシックス/ヤマハ/コクヨ/リンテック/オカムラ/タカラトミー/NTT/ソフトバンクグループ/ソフトバンク/KDDI/LINEヤフー/大塚商会/野村総合研究所/光通信/TIS/フジ・メディア・ホールディングス/三菱商事/伊藤忠商事/三井物産/豊田通商/丸紅/住友商事/メディパルホールディングス/アルフレッサホールディングス/阪和興業/双日/セブン&アイ・ホールディングス/イオン/ファーストリテイリング/パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス/ヤマダホールディングス/ゼンショーホールディングス/マツキヨココカラ&カンパニー/コスモス薬品/スギホールディングス/ビックカメラ/三菱UFJフィナンシャル・グループ/三井住友フィナンシャルグループ/みずほフィナンシャルグループ/三井住友トラストグループ/ゆうちょ銀行/りそなホールディングス/SBI新生銀行/ふくおかフィナンシャルグループ/横浜フィナンシャルグループ/千葉銀行/野村ホールディングス/SBIホールディングス/大和証券グループ本社/FPG/東海東京フィナンシャル・ホールディングス/岡三証券グループ/マネックスグループ/あかつき本社/GMOフィナンシャルホールディングス/松井証券/東京海上ホールディングス/MS&ADインシュアランスグループホールディングス/SOMPOホールディングス/かんぽ生命保険/ソニーフィナンシャルグループ/第一ライフグループ/SBIインシュアランスグループ/T&Dホールディングス/アニコム ホールディングス/FPパートナー/オリックス/三菱HCキャピタル/東京センチュリー/みずほリース/芙蓉総合リース/イオンフィナンシャルサービス/信金中央金庫/クレディセゾン/アコム/リコーリース/三井不動産/三菱地所/飯田グループホールディングス/オープンハウスグループ/東急不動産ホールディングス/住友不動産/野村不動産ホールディングス/ヒューリック/東京建物/レオパレス21/日本郵政/リクルートホールディングス/楽天グループ/パーソルホールディングス/電通グループ/セコム/博報堂DYホールディングス/サイバーエージェント/インフロニア・ホールディングス/オリエンタルランド/




