
コードを書くことの価値が変わりつつある
エンジニアとしての矜持がある人ほど、「自分は手を動かしてなんぼだ」と考えているのではないでしょうか。私自身、かつてはそうでした。実装を極め、完璧なコードで答えを出すこと。実際に動く「モノ」を作ること、それこそが技術者の価値だと思っていました。
けれど、技術の環境は今、大きく変化しています。
生成AIやSaaS、ノーコード、API連携の進化によって、技術者以外の人であっても必要な要素をつないで、一定レベルの機能をすぐに実現できるようになりました。エンジニア自身もAIを活用したVibeコーディングを駆使し、今までにはない速度で開発を行っています。
その結果、エンジニアに求められる役割もシフトしています。
今は「何をどうつくるか」よりも、「問題をどう技術で解決するか」、そこにエンジニアの知見・技術力が求められる時代になりました。
何かを変えるために、どのように技術を使うのか。社会に、ビジネスに、現場に変化を生み出すために自分の持つ技術をどう活かすのか。そこに本質的な価値が宿るようになっています。
実装力ではなく、技術を使いこなす力が問われる時代へ
私は今、bizoceanで開発ディレクターという役割を担っています。日常の業務で自分の手でコードを書くことは、ほとんどありません。だからといって、技術から離れたわけではありません。むしろ、今のほうがより深く、技術の意味や可能性を考えるようになりました。
開発ディレクターの仕事は、業務の課題を見極め、「技術の力でどうやって解決するか」を決めるところから始まります。
ビジネスや顧客の要件を受けて、最適な技術構成を設計し、外部の開発パートナーや社内の関連部署と連携しながら形にしていく。そこで必要なのは、広範な技術理解と構造化の視点、そして意思決定を前に進める推進力です。
技術を使いこなすとは、単に"指示を出す"ことではありません。
技術の持つ力を見極め、それを組み合わせ、スピーディに機能させること。
そういう意味で、開発ディレクターは「技術の実装者」ではなく「技術の推進者」と言えるかもしれません。
「手を動かす人」の先にあるキャリアの可能性
若いエンジニアにとって、「コードを書かない立場になる」ことに不安を覚えるのは自然なことです。自分の成長が止まってしまうような気がする。現場から遠ざかってしまうような気がする。私自身、そう思っていた時期がありました。
でも、こう考えてみてください。
たとえば、あなたがいま書いているコードは日に何ラインくらいでしょうか。それは5年後、10年後、どれくらいの速度になると思いますか? そして、それはプロダクト全体の何パーセントを占めるのでしょうか。やってもやっても全貌が見えない、プロダクトに貢献している気がしない、それなのに「これは全体として必要なことだから」と、無理やり自分を納得させてはいないですか? もしそんな疑問が頭をよぎるなら、それはもう、次のステージに進む準備ができているということです。
技術を使いこなす立場は、現場から離れることではありません。
現場で積み重ねた経験を、"意思決定の側"で活かすことです。
つまり、自分の技術を他人のために使い、仕組みそのものを良くしていく。それは、あなたの技術力を活かす、エキサイティングで創造的な仕事です。
bizoceanは、技術を使いこなす自由がある現場
bizoceanで開発ディレクターをしていて強く感じるのは、「やるべきことが多く、しかもやっていいことが多い」ということです。
生成AIの導入、業務システムの連携、ユーザーデータとメディアの統合。どれもまだ"完全に整っている"とは言えない。むしろ、未整備だからこそ、提案の余地がある。手を挙げた人がそのまま動かせる。そんな空気があります。
技術的な構想が、すぐに実装につながるスピード感もある。
自分の判断が、事業やプロダクトの進み方に影響を与える感覚がある。
サイト設立20周年を迎えてもそういったスタートアップのベンチャー企業のような環境で働ける企業は意外と少ないのではないかと思います。
技術を使いこなす人が、次のエンジニア像になる
技術は、それを極めること自体が目的ではありません。
それを使って誰かの業務を変えたり、社会の仕組みを良くしたりするための強力なツール、手段です。
そして今、あらゆる問題に対してそうした技術の選択、使い方、組み合わせ方を"決められる人"、つまり「技術を使って何かを変えていく力を持った人材」が強く求められています。
アウトソーシングでの開発、AIやクラウド、さらにはノーコードといったパーツをどう使い、何を解決するか。そうした判断ができるエンジニアこそが、これからの時代に必要とされる存在です。
最後に
もしあなたが、「もっと技術で問題解決をしたい」「技術を前に進める立場に回りたい」と思っているなら、開発ディレクターという選択肢を、ぜひ一度考えてみてください。
bizoceanには、まだ誰も手をつけていない領域がたくさんあります。そして、動かそうとする人に対して、それを"やっていい"と言える環境と仕組みがあります。
コードを書くだけがエンジニアの仕事ではありません。
技術の行き先を決めて、動かしていく。その力を持った人が、これからの現場を動かしていくのだと思います。
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