サービスデザイナーの改善プロセスと考え方

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サービスデザイナーの改善プロセスと考え方

はじめに

トライベックでは、中小企業・小規模企業者の営業力強化をデジタルの力で支援する「Hirameki 7」(https://www.hirameki7.io/)という業務支援サービスを提供しています。 WebサイトやLP作成などのマーケティング支援から始まり、名刺管理、案件管理などの営業支援、経営改善など、デジタル化によって顧客獲得から経営課題解決までを幅広くサポートする機能を取り揃えたサービスです。

私は「Hirameki 7」のサービスデザイナーとしてプロダクトのUI・UXデザインを担当し、日々「いかにしてユーザーがスムーズにサービスを利用できるようになるのか」を考えています。プロダクトのデザインは、一度リリースをして終わりではなく、ユーザーに使い続けてもらうため改善を繰り返し、育てていかなければいけません。

本コラムでは「Hirameki 7」のUXデザイン改善についてデザイナーが行なっているプロセスを実際の事例も交えてご紹介いたします。

「Hirameki 7」の改善プロセス

「Hirameki 7」では下記のようなプロセスを踏まえて改善を日々行っています。

【1】課題の定義

改善を行うにあたっては、まずユーザー体験やプロダクト利用状況に潜む「課題」を見つけることから始めます。解約理由の分析やユーザーからの声の収集といった定性調査に加え、GA4を使ったアクセスログの解析など定量調査も組み合わせます。開発メンバーとのディスカッションからヒントを得ることもあれば、社内チャットを巡回している中で思わぬ課題に気づくこともあります。

【2】仮説を立て、改善アイディアを出す

調査で得た情報をもとに、「なぜ数字が伸びないのか」「なぜユーザーが使ってくれないのか」といった問いを立て、仮説を考えます。そのうえで改善アイディアを出していきます。アイディアを出す過程は何事においても時間がかかりがちですが、最短でベストプラクティスが出せるように日頃からさまざまなサービスに触れて、感じたことをストックしておくようにしています。自分のアイディアの壁打ちとして最近ではAIを活用し、アイディアをさらに磨くようにしています。

【3】UX設計・プロトタイプ作成

仮説を具現化するために、ユーザー体験を設計し、プロトタイプを作成します。ユーザー体験の設計時によく使うフレームワークのひとつが「ユーザーストーリーマップ」です。これを使うことで、ユーザー視点で必要な機能や優先度を整理でき、改善案をより現実的な形に落とし込むことができます。

  • (実際に作成したユーザーストーリーマップ)
    (実際に作成したユーザーストーリーマップ)

【4】改善提案

プロトタイプを基に、PMや開発チームを含めたメンバーに改善案を提案します。私は提案時には「目的を必ず明確にする」「相手の立場を意識する」「理想案と折衷案の両方を提示する」という3つをなるべく心がけています。これによって議論がスムーズに進み、合意形成もしやすくなります。

【5】開発・リリース

改善案が承認されると、要件定義書や画面設計書を用意して開発メンバーへ依頼します。開発段階やQAのやりとりでも、提案時と同じく「目的を正しく伝えること」が大切です。伝え方ひとつで認識の齟齬が減り、成果物の質が変わってきます。

【6】効果測定

最後に、リリースした改善がどのような結果を生んだのかを確認します。アクセスログや利用データといった数値だけでなく、ユーザーからの声を拾い、定性的にも評価します。その結果をもとに、次の課題を探し出し、再び改善のサイクルへとつなげていきます。

事例:利用規約の改善

Hirameki 7の改善活動の中から、実際に成果につながった事例をご紹介します。

課題 本登録フォームの通過率が低下していた
仮説 利用規約のUI/UXがユーザーにとって障壁となっているのではないか?
改善内容
・利用規約をモーダル表示ではなく、フォーム画面内に直接表示
・全文スクロール必須の仕様を廃止
結果 ユーザーが迷いなく利用規約チェックを押すことができるようになったため、結果としてフォーム通過率が改善

このように大掛かりな機能追加をしなくても、小さな改善の積み重ねによって成果につながることがあります。

まとめ

プロダクトデザインは、日々の地道な試行錯誤の連続です。
「どうすればもっとシンプルに、もっとスムーズに使ってもらえるか」そんな問いを繰り返しながら日々開発に関わるメンバーと共にプロダクトに向き合っています。

現在、私は「画面ごとの情報量のバランスを調整するUI改善」や「入力作業の効率を上げる改善」など小さな改善によってプロダクトがより使いやすい形になるような取り組みを行なっています。

Hirameki 7 も、そうした積み重ねの上に成り立っているサービスです。
コラムを通じて弊社プロダクトに興味を持っていただけたら幸いです。

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Hirameki 7

この記事の執筆者

H.M

クリエイティブUX事業部

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