ニュースリリース
2014年2月20日
トライベック・ストラテジー株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:殿木 和彦、以下 トライベック)は、企業のオウンドメディア(企業の保有するウェブメディア全般)の顧客ロイヤリティやブランドロイヤリティが可視化できる指標【ウェブロイヤリティスコア(WLS)】を開発し、それを用いて計測された結果を元に、企業オウンドメディアのランキングを発表しました。
ウェブロイヤリティスコア(WLS)は、米国ロイヤルティ・マーケティングの権威であるベイン・アンド・カンパニー名誉ディレクターのフレッド・ライクヘルド氏が提唱した、顧客のロイヤルティを測るための指標NPS®(Net Promoter Score)を応用したオウンドメディアの新たな評価指標です。トライベックは、このNPS®の考え方や算出方式に対して、トライベックのユーザビリティやコミュニケーション力に関するノウハウを加えることで、これまでにないオウンドメディアにおける顧客ロイヤリティやブランドロイヤリティを可視化する指標を生み出しました。
NPS®では【究極の質問:「あなたはこの会社を同僚や友人に薦める可能性はどれくらいありますか?」】を0~10の11段階で評価します。それに対して、ウェブロイヤリティスコア(WLS)は、事前にオウンドメディアを経験(実際に見たり、操作したりすること)してもらった上で、ユーザビリティ関連の質問を5問。さらにコミュニケーションに関する質問4問への回答ののち、最後の【究極の質問:「あなたはこの会社のWebサイトを同僚や友人に薦める可能性はどれくらいありますか」】で評価が決定します。回答結果からユーザーを「推奨者(Promoter):8~10」「中立者(Passive):5~7」「批判者(Detractor):0~4」の3タイプに分類、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値をウェブロイヤリティスコア(WLS)として算出します。(総合推奨度について高評価者(8-10)の割合から低評価者(0-4)の割合を減算)
NPS®というと、オウンドメディアに限らず、さまざまなユーザーとのコンタクトポイントにおける印象や、企業のブランドイメージ、社会風評などの影響を受ける、総合的な顧客ロイヤリティ指数と言えます。ウェブロイヤリティスコア(WLS)は、その中でもオウンドメディアに関連するユーザビリティ(使いやすさ)、デザイン、コンテンツなど、ユーザーニーズと合致しているかどうかを、実際の操作(経験)の上で有効に機能しているかを明らかにすることができます。まさにオウンドメディアにおける顧客ロイヤリティやブランドロイヤリティへの影響度合いや成果を可視化するための有効な指標となると考えられます。
「家電・エレクトロニクス」、「自動車」、「アパレル」、「銀行」、「モバイル・通信」、「航空」、「EC・ポータルサイト」、「飲料」「ファーストフード・飲食」、「食品」、「化粧品・生活用品」など生活者の多くが利用する主要企業34サイトを、トライベックが無作為に抽出しています。
対象企業の製品・サービスを1年以内に購入・利用、WEBサイトを参照しているユーザーに「ユーザビリティにおけるストレス耐性」、「企業らしさ」、「広告イメージとの連動性」「総合推奨度」など全10項目について評価してもらいました。
今回実施した主要企業ウェブロイヤリティスコア(WLS)ランキングにおいて、評価結果からオウンドメディアの最新潮流が見えました。
評価の高かった企業のオウンドメディアの推奨理由として「デザインがよい」「シンプル」「直観的に操作できる」「コンテンツが充実」「新商品がわかりやすい」「季節感がある」「利用していて楽しい、ワクワクする」といったコメントが共通して多く寄せられました。ユーザビリティの高さはもちろんのこと、デザインやコンテンツなどユーザーを常に楽しませる工夫が企業サイトにおいても重要であると考えられます。
逆に評価が低かった企業のオウンドメディアには「文字が多くて見づらい」「ごちゃごちゃしている」「直観的に操作できない」「宣伝(もしくは宣伝のようにみえるPRコンテンツ)が多い」「コンテンツが充実していない」「ページが重い」「面白みがない」などのコメントが多く見受けられました。
推奨者の割合はアップルとパナソニックでそれほど変わらなかったものの、批判者の割合が低いアップルが、結果として高いスコアを獲得しました。特に【トップページに関する質問】では、推奨者が44%と群を抜いていました。「シンプルでスタイリッシュ」「センスが良い」「先進的」といった意見が寄せられており【企業らしさに関する質問】でも高評価を得ていることから、企業ブランドを表現したオウンドメディアであると言えます。
自動車業界は元々ユーザーのロイヤリティが高いことが背景にあると想定され、業界全体で高いスコアとなりました。メルセデスベンツのオウンドメディアの推奨理由としては「かっこいい、高級感が伝わる」「デザインが美しい」とのコメントが多く寄せられ、製品ブランド力の訴求力の高さをオウンドメディアで表現できたことが評価に繋がったと言えます。一方、業界内では最もスコアが低かった日産のオウンドメディアには「特徴がない」「らしさが伝わらない」とのコメントが寄せられました。
業界全体として低いスコアとなっていますが、ユーザーにとって銀行のオウンドメディア自体が、楽しむために利用するのではなく、インターネットバンキングなど日々の生活に必要だから利用するというユーザー心理が背景にあると思われます。最も低いスコアとなったのがみずほ銀行であり、「文字が多い、ごちゃごちゃしている」「コンテンツが分かりづらい」といったコメントが寄せられました。また、他行では色使いに関するコメントとして「色がきつすぎる」「目がチカチカして見づらい」といったコメントが高齢者層から多く寄せられており、他の業界に比べても特に高齢者に対する配慮が必須であると考えられます。
EC・ポータルサイトでは、Yahoo!や楽天を抑え、Amazon.co.jpが最も高いスコアを獲得しました。Amazon.co.jpについては、批判者が6%と特に少ないことも特徴的であり、推奨理由として「品揃えが豊富なのにもかかわらず商品が探しやすい」といったコメントが多く寄せられました。対して楽天は「ごちゃごちゃしてわかりにくい、見にくい」とのコメントが目立ちました。商品の数が充実していることは両サイトともに共通していますが、商品の探しやすさから評価が分かれたと考えられます。
味の素、カゴメの2サイトともに高いスコアとなりました。特に味の素のオウンドメディアでは「レシピの情報がよい・充実している」「商品情報が見やすい」というコメントが多く寄せられました。「CSR活動に共感できる」といった意見も目立ち、さまざまな種類の情報を提供しながら「見やすく使いやすくわかりやすい」構成で【伝わるオウンドメディア】であることにより、ユーザーの高い支持を得ることに成功している好例と言えます。
◎主要企業34サイトのランキング結果をすべてご覧になりたい方はこちら
業界 | 業界平均 | 業界1位 | |
---|---|---|---|
家電・エレクトロニクス | 2.0% | アップル | 12.5% |
自動車 | 13.0% | メルセデスベンツ | 24.0% |
アパレル | -0.3% | ナイキ | 5.4% |
銀行 | -12.8% | 三井住友銀行 | -3.2% |
モバイル・通信 | -9.1% | au | -5.4% |
航空 | 8.5% | JAL | 9.3% |
EC・ポータルサイト | 6.7% | Amazon.co.jp | 15.1% |
飲料 | 8.8% | サッポロビール | 16.4% |
ファーストフード・飲食 | 15.4% | スターバックス | 21.6% |
食品 | 16.8% | 味の素 | 19.2% |
化粧品・生活用品 | -2.9% | 資生堂 | 0.7% |
Net Promoter Score、及びNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレデリック・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの商標です。
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