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COLUMN

コラム

Webを面白くするのは、“雑種”クリエイティブ

2018年2月5日
クリエイティブ

いろいろまとめて、コミュニケーション業界

最初の大きな変化は2000年代に入る少し前くらいから助走のように訪れました。当時私は広告代理店のクリエイティブ部門にいて、その大きなうねりは業務の守備範囲をガラッと変えてしまいました。いうまでもなくネットインフラの普及整備によって、それまでの、CMを中心としたマス媒体のクリエイティブ表現をつくればよかった時代から、デジタルを使って何ができるかを考えなければならなくなったのです。あとは加速あるのみ。メディアミックスが叫ばれ、トリプルメディアが啓蒙され、オムニチャネルに詰めよられる状況です。

その後Webの業界に移り、当社トライベック・ストラテジーでクリエイティブ部門を立ち上げた私が最初に目指したのも、「オウンドメディアを核にしたコミュニケーションデザイン」でした。Webは他のメディアと連動させればもっと機能すると感じたから。これが、たかだか3年前です。

そして今度は異業種参入の大波が。広告会社や我々のようなデジタルマーケティング企業、種々のIT企業、ネットベンチャー、そこにコンサルティングファームが加わり、データを保有する企業が顔を出し、競合したり、融合したり、共創したりの百花繚乱が現在。まとめて「コミュニケーション業界」とでも呼べばいいのでしょうか。

クライアント企業の要望が、つまるところ「企業やブランドの価値を高め、エクスペリエンスによってファン化を推進し、エンゲージメントを強化する」ことが大命題になっているのだから、当然の流れといえるのかもしれません。

いろいろまとめて、Web表現も大進化

そんなこんなの変遷の中で、Webにおける表現手法もこれまた拡大化・高度化の一途をたどります。

昔は地味だったコーポレートサイトひとつとってもそうです。もはやサイトトップに動画を持ってくるのは当たり前になりました。このイメージムービーもこれからはブランドCMをつくるようなアイデアやアテンションが求められるでしょう。先ほどの大命題に照らせば、そのブランドに共感を得るためのフィロソフィーやストーリーの構築が大重要です。

写真のオリジナリティ。音楽の活かし方。トレンドを意識しなければデザインはすぐに古びてしまうし、エディトリアルのセンスがなければ情報整理の手法は拡がらない。SNSとの連携はコミュニティを立ち上げること。サイトで購入できる仕組みは店舗作り(しかもECサイト的量販店ではなく、セレクトショップやアンテナショップの感覚)。それらはコンテンツとしてさまざまなユーザーと良好なコミュニケーションを結ぶ。逆にいえば、それらを求めてサイトに訪れたユーザーは、求めるそれらがなければ秒速で立ち去ってしまいます。

今、ひとつのWebサイトをリリースするにも、数年前にいわれた、メディアと施策とクリエイティブを合わせてターゲットの気持ちを動かす、コミュニケーションデザインの手法で考えられていなければならないということなのです。

そんな時代の、Webクリエイティブ

これからは、あらゆる表現能力に長けたハイブリッドなクリエイターが求められるという、恐ろしい結論となってしまうのですが、ここで、ダーウィンの名言を思い出してください。「生き残る種とは、もっとも強いものではない。もっとも知的なものでもない。変化にもっともよく適応したものである」という至言、ご存知の方も多いと思います。では、変化に適応できるのはどんな種でしょう?

それはズバリ「雑種」ではないかと思うのです。「速く走る」という1点のみに特化したサラブレッドではなく、「走れるし、飛べるし、泳げるし、なんなら歌って踊りますよ!」という「雑種クリエイター」が力を発揮するのではないだろうかと。

このコラムを書いているのは年初なので、壮大な初夢をひとつ。

5人の才能を集めてみました。ひとりはピカソ。多彩な作風と、画商などに新しい作品をアピールする能力にも長けていた芸術家。次はシェークスピア、史上最強のストーリーテラー。そしてモーツァルト、人の気持ちを高揚させたり癒してくれたりする天才音楽家。さらにアインシュタイン、科学者は稀代のテクノロジスト。最後にアンディ・ウォーホル、デジタルがほぼない時代からデジタル的なポップアートの旗手。彼らの遺伝子を配合したクリエイターが、もし今のデジタルの領域で表現を試みれば、いったいどんなエクスペリエンスが生まれるのでしょうか。

チームとしての「雑種力」

もちろんこれは、私のいう「雑種クリエイター」の極端な夢物語。ひとりのクリエイターがマルチな才能を身につけるにも限界はありますから、現実的には各分野のプロフェッショナルをプロデュースし、クリエイティブディレクションできる能力がWebにおいてもますます求められるのでしょう。

最後に、手前味噌ではありますが、トライベックのクリエイティブチームは様々な出自を持つメンバーを集めています。私のような広告代理店出身者、あらゆるプリントメディアに精通した熟練のグラフィッカー、ムービーもコーディングもこなす腕利きのWeb職人、その他、コピー、イラスト、エディトリアル、アーキテクト、インターナルコミュニケーションのスペシャリストなど。チームとしての「雑種力」を鍛えて、クリエイティブに精進していきます。

この記事を書いた人

杓井 一夫

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執行役員 エグゼクティブクリエイティブディレクター

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