情熱をもって企業のフィロソフィを伝える、コーポレートフィルムというクリエイティブブランディング

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共感を生みだす、コーポレートアイデンティティの伝え方

テクノロジーの発展・浸透により、企業のWebサイトを通したユーザーとのコミュニケーション、ブランドの浸透が課題となってきています。
また表現の多様化というイノベーションにより、新たな価値を生み出すことが多くのクリエイターにとっても求められる時代となりました。

今回制作事例として紹介する株式会社 文芸社様では、2020年2月のTOPページ改修に伴い、 企業理念・フィロソフィを伝える手段として、コーポレートフィルムというクリエイティブアウトプットを選択しました。
企業がブランドメッセージやイメージをうまく印象づけ、いかにしてエンドユーザーに優れた体験を提供できるのか、共感のデザインを探っていきます。

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文芸社様には、本を出版したい人、出版業界に興味を持っている人をはじめ、あらゆるステークホルダーを対象とし、「文芸社」という企業が世の中に与える役割、フィロソフィを外部にしっかり打ち出したいという想いがありました。
そこで、ご担当の方と打ち合わせを重ね、文芸社様にとって企業フィロソフィとは何か、どう表現するかを検討していく中で「働く従業員たちがほのかに醸す個々の矜恃こそがそれに値するのでは」という考えのもと、その表情・仕事風景を見せることは、100の言葉で「わたしたちは――」と語るよりも、 強く、鮮明に「文芸社」というものが何であるのかを、伝えられるのではないかというアウトプットに至りました。 そこで当初検討していた写真のスライドビジュアルによるストーリー展開よりも、映像表現の方がより伝えたいメッセージを届けられるのではという熱い旗印のもと、コーポレートフィルムの制作を行うことになりました。

映像表現という選択をすることで、メッセージ性を一段階上の次元に押し上げることが可能になり、主に下記の4つのメリットがあります。

・ストーリー構成により、多くの伝えたいシーンを描くことができる。
・映画のようなカット演出や音楽との相乗効果により、印象度を高めることができる。
・躍動感、人々の息づかいなどのリアルさが親近感を生み、”自分ごと”化して感じられる。
・その企業で働く従業員の一体感やモチベーションを醸成することができる。

今回のストーリー構成では、「本をつくる舞台を用意する人=文芸社」、「出版された本を手に取る人=エンドユーザー」とし、書籍の出版サポートなど制作過程から一冊の本の誕生を通して、人と人のつながりが形成されていく一連のシーンを描き、これまでは実際に出版体験をした著者にしか分からなかった体験を、映像を通して一般ユーザーにも伝えることで、出版体験を身近に感じてもらえるような構成にしています。
またキャスティングとして、役者やモデルを使わず、あえて本物の社員に出演してもらうことで、リアリティを演出する構成にし、何か新しいものが始まるような「兆し」を見せることで、インターナルモチベーションの向上にも一役買っています。

ディレクターズカット版
https://www.youtube.com/watch?v=HvzSP8HAkDE

トライベック・プロフェッショナルサービス(株)「実績紹介」
https://ps.tribeck.jp/case/

人のつながりで、クリエイションを生み出す

メリットの多いように感じる映像の制作ですが、高いクリエイティビティを生み出すには、一般的なキービジュアルの撮影などに比べ、アイデアを形にする実行力と、より多くの人の協力が必要になります。
クリエイター含め製作側のスタッフだけではなく、クライアントのご担当者、出演者となる従業員まで、関わる人全員が、ONEチームとなって高い情熱を維持できることが鍵となります。

ストーリー構成、脚本、キャスト、演技、ロケーション、天候、撮影、ディレクション、編集、カラーグレーティングなど、チームで作り上げた一つ一つのピースを当て嵌めながら、最終的に一つの作品に仕上げる過程は、クライアントとの強い信頼も生み出しました。

すべてを社内のクリエイティブスタッフで創り上げた、トライベックとしては前例のないクリエイティブでしたが、新しいクリエイションをつくり物事を動かすのは、人の熱量と、好奇心や煌めきなのだと思うのです。

この記事の執筆者

吉野 智弘

クリエイティブUX部

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