マーケターはデジタルとどう向き合うべきか
- マーケティング
マーケターにとってのデジタルとは
マーケティングオートメーションシステムやアドテクノロジーの進化によって、デジタルマーケティング環境の高度化・複雑化が急加速する中、企業のマーケティング担当者は日々のマーケティング活動について何から手をつければいいのか、成果も見えない状態で暗中模索の状況にあるといえるでしょう。マーケターからは「ノウハウがない」「担当者・予算が不足している」「投資対効果が見えない」といった声が近年特に顕著に聞こえてくるようになりました。
引用元:『デジタル化への認識とデジタルマーケティングの実態調査』(富士通総研、2016年9月)
結局のところ、マーケターにとっての「デジタル」とは何なのでしょう。デジタルは道具であり、主役はマーケティングの本質にある「コミュニケーションのあるべき姿」であることを忘れてはなりません。マーケターにとって、デジタルツール・広告メディアが手軽に利用できるようになったことによる最も大きな変化は、「打ち手に対する結果が数値データによってリアルタイムに取得できる」ことです。
一方で、膨大な数値データに振り回され、結局のところデジタルマーケティング成果は何だったのか?というゴール設定がなされていないことによって、結果に一喜一憂するだけの、場当たり的な対応に終始するケースも見受けられます。
デジタルマーケティング施策が、真にビジネス成果につながったのかを、マーケターが正しく把握できるようになるためには、顧客にとって最も心地よい「コミュニケーションのあるべき姿」をデザインできていること、そして顧客の行動や反応が定義されており、そのプロセスとビジネス成果のつながりが明確にKPIとして設計されていることが重要です。
リアルとデジタルの世界を俯瞰してコミュニケーションをデザイン
顧客との「心地よい」コミュニケーションをイメージし、可視化することは、デジタルや数値データの世界で完結できるものではありません。実際の顧客へのアンケート、インタビュー、社内の営業現場やカスタマーサービス部門からの情報収集、実際のイベントや販売現場の雰囲気を感じることなど、マーケターがリアルに行動してこそ具体的な現実味のある顧客とのコミュニケーションをデザインできるといえます。これは非常に労力を伴う作業ですが、マーケターでなければ成し得ない作業ともいえます。
このような作業を経て顧客とどのような関係を作りたいのかが具体化されていれば、その次にすべきは、あるべき顧客体験をカスタマージャーニーマップとして可視化することです。そして、多種存在するデジタルツールの“道具”としての特性、効果を押さえることさえできていれば、デジタルツールの効果的な使いどころや見るべき成果指標も自ずと明らかになるでしょう。
つまり、リアルに存在する顧客のインサイトとコミュニケーションの姿をイメージすることなくして、デジタルマーケティングへの取り組みは意味をなさないのです。その本質を理解してこそ、デジタルをツールとして使いこなし、顧客の気持ちにもリアルに共感できる新しい時代のマーケターになれるといえるでしょう。
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