GA(UA)が2023年7月にサポート終了! GA4とその先のデータ活用で顧客体験を理解しよう(2)

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GA(UA)が2023年7月にサポート終了! GA4とその先のデータ活用で顧客体験を理解しよう(2)

目次

はじめに

前回のコラムでは、2022年3月16日のUniversal Analytics(UA/GA3、以下UA)のサポート終了のアナウンスを受け、サポート終了による各種影響をご紹介しました。

第2回の今回は、UAの後を継ぐ、次世代のGoogleデータ分析ツールGoogle アナリティクス4プロパティ(以下、GA4)について深掘りしていきます。

GA4のポイント

2020年10月にGoogle Analyticsの新規格としてローンチされたGA4のポイントとしては、主に以下の4つが挙げられます。

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1. Cookieに依存しない情報保護
2. Webとアプリの横断
3. データの利活用(BigQuery/ Googleデータポータル)
4. ユーザー(顧客体験)の理解
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それぞれのポイントについて見ていきましょう。

1. Cookieに依存しない情報保護

GA4の1つ目の特徴として挙げられるのは、CookieやIDを利用できるかどうかにかかわらず計測が可能ということです。これまでのUAでは、Cookieに依存した方法でアクセスログデータのトラッキングが行われていました。しかし、改正個人情報保護法(2022年4月施行)を始めとした近年のプライバシー保護意識の高まりによって、Cookieを用いたデータトラッキングの可用性が狭まりつつあります。

この動きの中で発表されたGA4では、Cookie について以下のように述べています。

It’s privacy-centric by design, so you can rely on Analytics even as industry changes like restrictions on cookies and identifiers create gaps in your data.

(https://blog.google/products/marketingplatform/analytics/new_google_analytics/)

つまり、GA4ではこれまでのCookieに依存しないCookieレスなトラッキングの仕組みを用いた計測を実現させているということです。
今後、Cookie規制が高まっても、GA4においては個人情報に配慮された、質の高いトラッキングデータを蓄積することが可能だと考えられるでしょう。

2. Webとアプリの横断

GA4は、Google アナリティクスfor Firebaseの仕組みを土台としたGoogle アナリティクスの新しい分析測定方法をとっています。これまでWebサイトはGoogle アナリティクス、モバイルアプリはGoogle アナリティクスfor Firebaseを利用して計測していました。そのため、Webとアプリのデータは基本的に同じプロパティではなく別々のプロパティに格納されており、さらに、それぞれでディメンションや指標の定義が異なったデータが蓄積されていました。

これに対しGA4では新たに、プロパティの中に新しくデータを蓄積する「データストリーム」という概念を導入しています。Webサイトは「ウェブストリーム」、モバイルアプリは「アプリストリーム」の単位で計測され、双方同じディンメンションや指標で集計することが可能になったのです。

これにより、これまでよりも手間をかけずにWebとアプリを統合した分析を行うことができるようになりました。

Webとアプリのユーザーの行き来が当たり前となった今、この機能はユーザー分析を行うにあたって不可欠な機能だとも考えられます。

3. データの利活用(BigQuery/ Googleデータポータル)

3つ目の特徴は、Google Cloud PlatformのサービスであるBigQuery(データウェアハウスツール)や、BIツールであるGoogleデータポータルとのデータ連携が可能になったということです。

《BigQueryとは》
BigQuery連携については、従来のUAでは有償版(Google Analytics 360)でのみ連携が可能でしたが、GA4では無料で行うことができます。GA4のデータをBigQueryに連携することで、生のログデータをSQLにて柔軟に加工することができるようになりました。カスタムディメンションやカスタムイベントなどのカスタマイズ機能とかけ合わせれば、より粒度の細かい分析をすることが可能です。

《Googleデータポータルとは》
前述のBigQuery で加工したGA4のデータをGoogleデータポータルと連携させることで、ダッシュボード上にグラフィカルに可視化させることが可能です。データポータルはドラッグアンドドロップ操作を基本とした、比較的簡単にレポートを作成することができるサービスで、オリジナルに作成したレポートの共有や定期的な通知、データのダウンロードなども可能です。

これらのサービスを組み合わせることで、GA4のデータを更に活用することができます。GA4はUAと比べるとまだまだ機能面で充実していな箇所が多く見受けられます。今後もGA4は機能のバージョンアップが見込まれますが、不明瞭なGoogleの機能改善の計画に依存はせず、提供されている様々なサービスを活かし、この機会にUA以上に活用を検討できると良いでしょう。

4. ユーザー(顧客体験)の理解

4つ目の特徴は、ユーザー(顧客体験)の理解です。

UAでは、ページを軸としたトラッキングが行われていました。つまり、どのページが人気かといった視点や、どのページで離脱が多いかといった、ページに注目したトラッキングです。

一方、GA4ではユーザー行動やエンゲージメントを軸としたトラッキングが行われます。ターゲットとなるユーザーの特徴を分析し、サイトの目的に合ったユーザー層がどれぐらい存在するか、サイトは顧客体験(CX)に貢献できているか、といった評価が可能になりました。

想定するユーザー像にあったカスタマージャーニーと、実際のサイト内の行動ログを重ね、比較検証することで、より深くユーザーを理解し、質の高いサイト作りを実現させることができると考えられます。

「人」を軸とした次世代のデジタルマーケティングの思考

ここまででGA4の4つのポイントをご紹介しました。UAと比較すると、より「人」を軸とした次世代のデジタルマーケティングの思考に寄り添ったツールだと言えます。

GA4の計測設定をして終わり、ではない

しかし、GA4の計測設定をして終わりでは意味がありません。重要なのは、KPIを設けてデータを取る目的や分析の指針を定義し、分析や改善を重ね、顧客体験価値の高いサイトを作り上げていくという一連の流れの確立です。

あくまでもGA4は分析ツール。このツールをいかにマーケティング戦略の中で活用していくかが最も大切です。GA4の特性をしっかりと理解し、指針を持ったうえで適切にツールとして使いこなすスキルが求められていくことでしょう。

次回はシリーズ第3回。今回、GA4のポイントとして少し触れた、BigQueryやGoogleデータポータルとの連携を含め、GA4の更なるデータ活用についてご案内いたします。

この記事の執筆者

朝岡 有葉

HIRAMEKI XD事業部
プランニングユニット

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